TrailBlazer™ タグおよび StarBright 色素ラベルキット を使用することにより,革新的な SpyTag および SpyCatcher テクノロジー. を使って,優れた StarBright蛍光色素を抗体にラベルすることができます.フローサイトメトリーアッセイやウェスタンブロットでStarBright蛍光色素を使用することにより,選択した抗体に対する様々な恩恵が得られます.
TrailBlazerタグとラベルキットは,シンプルな2キットプロセスにより,精製抗体を幅広いStarBright色素でラベルすることを可能です(Figure 1).
“分子接着剤”とも呼ばれる革新的なSpyTagおよびSpyCatcherテクノロジーは,StarBright色素を抗体に「接着」させるために使用されます(Keeble et al. 2017).まず,タグキットを使用してSpyTagを抗体に取り付けます(Figure 1.A).この抗体(または既にSpyTagを持つ組み換え抗体)を,ラベルキットを用いてStarBright蛍光色素でラベルしたSpyCatcherと混合します(Figure 1.B).
SpyTagとSpyCatcherの間で自発反応が起こり,不可逆的な共有結合イソペプチド結合が形成されます.これが,TrailBlazerコンジュゲーションキットから安定性の高いラベル抗体が得られる理由です.SpyTagとSpyCatcherの技術は TrailBlazer抗体作成のためにカスタムHuCAL®リコンビナント抗体作製サービスにおいても使われています。
Fig 1. TrailBlazerタグとStarBrightラベルキットの概要.A. SpyTagの精製抗体への結合.B. SpyTagラベル抗体をStarBright色素Catcherへコンジュゲーション.
TrailBlazerキットは,最小限の作業時間で簡単に使用できる(Table 1).作業時間が短いため,他の作業も並行して行うことができます.
抗体の調製や修飾,SpyTagのアタッチメント,StarBright色素のラベリングなど,コンジュゲーションプロセスの各ステップを記録する便利なプロトコールワークシートをご活用ください.
このテンプレートをダウンロード して,実施したことを記録してください.
Table 1. タグとラベルキットの標準的な所要時間
TrailBlazer Kit |
Hands-on time |
Total time |
|---|---|---|
|
TrailBlazer Tag Kit |
40 min |
2hr 15 min |
|
TrailBlazer StarBright Dye Label Kit |
10 min |
1hr 40 min* |
*オーバーナイトインキュベーションを使用する場合,インキュベーション時間が長くなります.
TrailBlazerキットは,ワークフローに簡単に組み込むことができるように設計されているため,様々な抗体アイソタイプ(Table 2)やバッファー(Table 3)と互換性があり便利です.
Table 2. アイソタイプの適合性
Isotype |
Compatibility |
|---|---|
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Mouse IgG2a |
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Mouse IgG2b |
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Mouse IgM |
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Rat IgG1 |
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Rat IgG2a |
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Rat IgG2b |
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Rabbit IgG |
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Table 3. バッファーの互換性
Buffer |
Compatibility |
|---|---|
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PBS |
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0.5% BSA |
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0.09% sodium azide |
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50mM Tris |
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0.01% Thiomersal |
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TrailBlazerキットでラベルされた StarBright 抗体は,市販のラベル抗体に匹敵するだけでなく,StarBright 色素 の利点も備えています.例えば,StarBright Violet 440に結合した抗体は,Readilink Conjugation Kitを使用して結合した同等の蛍光色素の抗体よりもかなり明るい(Figure 2).このため,フローサイトメトリーで抗原密度の低いマーカーを検出したり,ウェスタンブロッティングで存在量の少ないタンパク質を検出するのに理想的です.
Figure 2. TrailBlazer および Readilink Conjugation Kits を用いてコンジュゲートした抗体の比較. A. マウス抗ヒト CD4 (
MCA1267
) または B. マウス抗ヒト CD8 (
MCA1226
) は,TrailBlazerタグキット(12020038) および StarBright Violet 440ラベルキット (12020042)(赤),または Readilink 405/454 Antibody Labeling Kit (
135011
)(青)を用いてタグおよびラベルした.ヒト PBMC は,10% ヒト血清存在下で染色した.データは ZE5 Cell Analyzer で取得.
蛍光色素の選択はもはや制限されません.あらゆるサイズのパネルでマルチプレックス化するための蛍光色素の選択肢が増えます.StarBright色素ラベルキットは,一般的な5つのレーザーラインすべてをカバーするため,パネルデザインが容易になります.
StarBright色素をコンジュゲートした抗体は,最適化されたプロトコールに記載されているように,表面染色と細胞内染色の両方での使用に適しています.
TrailBlazerキットでラベルされた抗体は,直接コンジュゲートされた抗体と比較しても,同等かさらに改善された明るさを示します.
Fig
3. StarBright色素でラベルされたヒトCD4抗体は,市販のコンジュゲート抗体と同程度に明るい.マウス抗ヒトCD4 (MCA1267)) は,TrailBlazerキット (赤) を用いてタグおよびラベルし,StarBright 色素 (青) を直接結合させたマウス抗ヒトCD4と比較した.ヒトPBMCは10%ヒト血清存在下で染色した.データはZE5 Cell Analyzerで取得.
TrailBlazerキットによるラベル抗体は,TrailBlazerテクノロジーにより非常に安定しています.SpyTag付抗体はStarBright蛍光色素SpyCatcherと結合し,不可逆的な結合を生成します.このため,非常に安定した抗体が得られます.暗所4℃で保存した場合,輝度の変化は最小限に抑えられ,1年間安定です.これにより,抗体を長期的に研究で使用する際,複数回のラベル化反応を行う必要がなくなります.
Fig
4. TrailBlazerタグおよびラベルキットを用いたStarBright Blue 700コンジュゲーションヒトCD4抗体の1年後の高い安定性.マウス抗ヒトCD4 (
MCA1267)
) は,TrailBlazerキット(12020038 および 12020040) を用いてタグおよびラベル化した.4℃で保存してから1年後に,直接結合したマウス抗ヒト CD4 StarBright蛍光色素(
MCA1267SBB700)
)(青)と比較した.ヒトPBMCは,10%ヒト血清存在下で5 µlの抗体を用いて染色した.ZE5 Cell Analyzerで取得したデータ,n = 3.
TrailBlazerタグおよびラベルキットは,一般的なアイソタイプに適しています.
Fig 5. TrailBlazerキットのアイソタイプ適合性.ヒトPBMCをTrailBlazerタグおよびラベルキットでラベルした抗体(赤)で染色し,直接コンジュゲートしたカタログ抗体(青)と比較した.A. マウス抗ヒトCD4(RPA-T4クローン) B. マウス抗ヒトCD4(OKT4クローン) C. ラット抗ヒトCD195(HEK/1/85aクローン).ZE5 Cell Analyzerで取得したデータ.
これらのTrailBlazerキットは,幅広いタイプのバッファーと互換性があるため,非常に汎用性が高い.
Fig 6. TrailBlazerタグおよび StarBright色素ラベルキットと 0.5% BSA 含有精製抗体との適合性.マウス抗ヒト CD4 (
MCA1267
) を,BSA を含まない (赤),または 0.5%濃度の BSA を含む (緑) TrailBlazer キット (12020038 および 12020045) を用いてタグおよびラベルした.キットによるラベル抗体は,StarBright色素(
MCA1267SBV570
)を直接結合させたMouse Anti-Human CD4(青)と比較した.ヒトPBMCは10%ヒト血清存在下で染色した.データはZE5 Cell Analyzerで取得.
TrailBlazerタグおよびStarBright色素ラベルキットは,異なるフォーマット間で再現性が高く,一貫した染色が可能です.
F
ig
7. TrailBlazerキットの再現性.ヒトPBMCを,TrailBlazerタグおよびラベルキットを用いてStarBright色素でラベルしたマウス抗ヒトCD4(
MCA1267
)で染色した.CD4+細胞のパーセンテージは,異なるラベルキット間で一貫していました.データは ZE5 Cell Analyzer で取得.エラーバーはトリプリケート染色のSDを示す.
TrailBlazerキットによるラベル抗体は,現在ご使用のアッセイに適しており,テストされた一般的な染色プロトコールすべてに適合します.一般的な緩衝液や固定液で細胞を染色・固定した場合,再現性の高いデータが得られます.
Fig
8. TrailBlazerキットの適合性.マウス抗ヒト CD4 (
MCA1267
) は,TrailBlazerタグ(12020038) および TrailBlazer SBV440ラベルキット (12020042) を用いて StarBright Violet 440 でラベルした.ヒトPBMCをA)異なる染色バッファー,またはB)異なる固定化剤で染色した.ZE5 Cell Analyzerで取得したデータ.
TrailBlazerキットラベル抗体は,フローサイトメトリーにおけるマルチプレキシングに理想的であり,複数のラベル抗体を色素の相互作用なしに標準バッファー中で一緒に使用することができます.
F
ig
9. 複数のTrailBlazerキットラベル抗体を含むヒト免疫表現型パネル.ヒトPBMCを,PBS+1%BSA中,TrailBlazerキットラベル抗体,直接結合抗体,および生存率色素を含むパネルで染色した.データはZE5 Cell Analyzerで取得.
TrailBlazerキットラベル抗体は,マスターミックスやプレミックスへの添加に適しており,色素の相互作用がありません.縦断的研究において,複数のサンプルを同じパネルで染色する場合に最適で,時間を節約し,再現性を向上させます.
Fig 10. 複数のTrailBlazerキットラベル抗体を含む1週間プレミックスカクテルパネルを比較した再現性の高いデータ.ヒトPBMCを,TrailBlazer キットラベル抗体,直接結合抗体および生存率色素を含むパネルで染色した.プレミックスカクテルは,染色前に4℃で1週間保存した.細胞は生きた単一細胞でゲーティングされた(not shown).ZE5 Cell Analyzerで取得したデータ.
TrailBlazerキットStarBright色素ラベル抗体は,細胞表面マーカーだけでなく,細胞内ターゲットの検出にも適しています.
Fig 11. TrailBlazerキットラベル抗体を用いた細胞内染色.マウス抗ヒトグランザイムB(
MCA2120
)をTrailBlazerキット(12020038および12020042)を用いてStarBright Violet 440でラベルし,同じクローンのPacific Blue結合マウス抗ヒトグランザイムBと比較した.ヒトPBMCはFoxp3 Fix/Perm Buffer set (Biolegend, 421403)を用いて染色した.TrailBlazerキットラベル抗体を用いた染色では,BD Horizon Brilliant Stain Buffer(BD Biosciences, 563794)も使用した.オープンのヒストグラムは染色していないコントロール,ソリッドヒストグラムは抗グランザイムBによる染色を示す.
バイオ・ラッドのTrailBlazerタグキット (12020038 および12020901)とStarBright Blue 700 ラベルキット (12020040および17010362)は,ウェスタンブロッティングで使用する一次抗体と二次抗体の両方をラベルします.
TrailBlazerキットラベル抗体は,直接結合抗体と同等の性能を有し,低バックグラウンド染色で少量のタンパク質を高感度に検出します.
図12. TrailBlazerキットでタグおよびラベルした二次抗体と直接結合した二次抗体との比較.マルトース結合タンパク質(MBP)を20 ngから順に2倍連続希釈で添加したHela溶解液のウェスタンブロット解析.マウス抗ヒトMBPでプローブ.A) TrailBlazerタグ(12020038)とStarBright Blue 700ラベルキット (12020040)を用いてStarBright Blue 700に1:1300でラベルしたヤギ抗マウスIgG,またはB) StarBright Blue 700に1:2500で直接ラベルしたヤギ抗マウスIgG (
12004158
)で検出.ChemiDoc MPイメージングシステムで可視化.
TrailBlazerキットラベル抗体は,他のフィルターへのスピルオーバーが少なく,ウェスタンブロッティングにおけるマルチプレックスに最適です.
Fig 13. 複数のTrailBlazerキットラベル抗体.マルトース結合タンパク質(MBP)を徐々に添加したHela溶解液のウェスタンブロット分析.TrailBlazerタグ(12020038) および StarBright Blue 700 ラベルキット(12020040) を用いて StarBright Blue 700 でラベルしたマウス抗ヒト MBP,および ヤギ抗ウサギIgG StarBright Blue 520 (
12005867
) で検出したウサギ抗ヒト GAPDH (
VPA00187
) でプローブした.Chemidoc MP イメージングシステムで可視化.他のフィルターではスピルオーバーは見られない.
TrailBlazer タグキットおよびラベルキットは,一般的なアイソタイプと互換性があります.
Fig 14. TrailBlazerキットのアイソタイプ適合性.マルトース結合タンパク質(MBP)を徐々に添加したHela溶解液のウェスタンブロット分析.A
,
TrailBlazer
タグキット(12020038 および 12020040) を用いて StarBright Blue 700 でラベルした マウス抗ヒトMBP で
プローブ
.
B
,
TrailBlazer
キット (12020038および12020040)を用いてStarBright Blue 700でラベルしたヤギ抗マウスで検出したマウス抗ヒトMBP.
Chemidoc
MP
イメージ
ング
システム
で可視化.
このキットで使用されている技術は,ウェスタンブロッティングに使用する安定した二次抗体を作製するものです.4℃,暗所で1年間保存してもシグナルが失われることはありません.従って,1回のラベル反応を行えば、長期にわたる研究で1年間使用でき,時間と費用を節約できます.
Fig 15. TrailBlazerキットラベル二次抗体は,4℃で1年間保存しても安定性が高い.マルトース結合タンパク質(MBP)を添加した Hela ライセートのウェスタンブロット解析.TrailBlazerタグ (12020038)とStarBright Blue 700ラベルキット (12020040)を用いてStarBright Blue 700でラベルしたヤギ抗マウス IgGで検出したマウス抗ヒト MBPでプローブした.二次抗体は25℃で保存し,コントロールと比較した.15kcal/molに基づいて,4℃での保存に相当する時間(月)を算出した.Chemidoc MPイメージングシステムで可視化.
