抗イディオタイプ抗体とは?

ある抗体が他の抗体のイディオトープに結合するものを抗イディオタイプ抗体といいます。ユニークな抗原結合部位を含む抗体の可変部はイディオタイプとして知られています。イディオタイプ内のエピトープ(すなわちイディオドープ)の組み合わせは抗体ごとにユニークです(Figure. 1)。

What is an anti-idiotypic antibody

 

Fig 1. 抗体イディオトープ- 抗体の可変領域に存在する抗原決定基のユニークなセット

現在開発されているほとんどの治療用モノクローナル抗体はヒト抗体またはヒト化抗体であるため,抗薬物抗体(ADA)の誘導に最も関与する免疫原性エピトープは,結合接触面の大部分を担う高度可変相補性決定領域(CDR)内に存在します。

抗イディオタイプ抗体は,特定のモノクローナル抗体薬に特異的に結合するように作製できます。

これらの高度に特殊化された抗体は,前臨床および臨床サンプル中の遊離または総薬物濃度を測定するための様々なフォーマットでの薬物動態(PK)アッセイをセットアップしたり,ADAアッセイのポジティブコントロールとして使用できます。


抗イディオタイプ抗体は,ヒト抗体医薬品の開発を支援します

Bio-Radは,革新的な医薬品およびバイオシミラー製品における前臨床研究,臨床試験,患者モニタリングを支援する特異性と高親和性抗イディオタイプ抗体の専門メーカーです。

これらの抗体は,完全ヒト型Fabおよび免疫グロブリンフォーマットの抗体を作製するためのHuCAL®リコンビナントモノクローナル抗体ライブラリと,ファージディスプレイの新たな改良手法を用いて製造されています。



カスタム抗イディオタイプ抗体の作製

Bio-Radは,HuCAL技術を用いて,お客様の個別要件に合わせたリコンビナントモノクローナル抗体を作製してきた15年以上の経験があります。

リコンビナントモノクローナル抗体は,機能面において伝統的なモノクローナル抗体に匹敵します。また,完全にin vitroプロセスで作製されるため,製造時の柔軟性も高く,アフィニティーの成熟化や異なるフォーマットへの変換などで,最適化の機会を豊富に提供します。


高い特異性をもつ抗イディオタイプ抗体

HuCAL技術を用いた抗イディオタイプ抗体の作製において,抗体の選択は,抗体薬物複合体(ADC)の存在下で,アイソタイプサブクラスと一致した抗体をブロッカーとして用いて行われます。これにより,抗体薬物の他の領域に結合する抗体の集積を回避し,イディオトープ特異性を確保します。さらに,ヒト血清の存在下で選択を行うことで,最終的なアッセイにおけるマトリックス効果を回避します。

この選択方法は,異なる結合様式と特性を有する抗イディオタイプ抗体を作製するように誘導可能です(Figure 2)。阻害型抗体(タイプ1)は,細胞ベースのアッセイやELISAに最適です。薬物の抗原結合部位外側にあるイディオトープに結合する非阻害型抗体を選択すると,サンプル中の遊離薬物と結合薬物の両方を検出(タイプ2)できます。Bio-Radは,希少な特異性を持った抗体を分離する独自の技術を有しており,例えば薬物-標的複合体結合型抗体(タイプ3)を分離できます。これは,遊離薬物の濃度ではなく,結合した薬物の量を定量化するのに使用できます。

※記載の製品は研究用であり,診断目的にはご利用いただけません。


Type 1, inhibitory anti-idiotypic antibodies for measuring free drugタイプ1

  • 抗イディオタイプ抗体(抗ID抗体)
  • パラトープ特異的
  • 阻害性
  • 中和性
  • 遊離薬物を検出する


Type 2 non-inhibitory antibodies detect total drugタイプ2

  • 抗イディオタイプ抗体
  • パラトープ特異的ではない
  • 阻害作用なし
  • 総薬物(遊離,部分的に結合,完全に結合)を検出する


Type 3 drug-target complex-specific antibodies detect bound drug exclusivelyタイプ3

  • 薬物標的複合体特異的
  • 阻害作用なし
  • 結合した薬物のみを検出する

Fig. 2. 3種類の異なる抗バイオ医薬品抗体。Type1:遊離薬物を測定するための阻害性型抗イディオタイプ抗体;Type2:総薬物を検出する非阻害型抗体;Type3:結合薬物のみを特異的に検出する薬物-標的複合体特異的抗体。

異なる種類の薬物特異的抗体を組み合わせることで,アッセイ開発者は薬物抗体の利用可能性と状態に関するより柔軟な選択肢と総合的な情報を得ることができます。

当社の専門家は,ご要望のバイオセラピー標的に対するType 1,Type 2,Type 3抗体の設計戦略を策定できます。 ご相談ください。 


参考文献

  • Harth and Frisch (2021). Recombinant anti-idiotypic antibodies in ligand binding assays for antibody drug development. Methods Mol Biol. 2261:291-306.